「文昇問題 其の一」

骨折り損

 

息子の高校入試を控えた3月のある日の事。自宅でふざけていて、妻が尻もちをついた。妻は痛がっていたが、家族の誰も相手にしなかった。心配するどころか反対に大笑いをしていた。当の本人も痛みで顔を歪めていたが笑っていた。
翌日になっても痛みがひかないので、病院でレントゲンを撮ってもらった。結果は『全治1ヶ月の尾骨骨折』。骨が折れていた。それを聞いてまた笑ってしまった。
同じ骨折でも、腕や脚の骨なら同情されるのに、尾骨と聞くとなぜか笑ってしまう。不公平だ。尾骨に同情してしまう。
医者に「2週間は安静に!」と言われた妻は、家族に用事を言いつける。誰もレントゲン写真を見ていないので、本当に折れているか確認も確信も出来ずに用事をさせられ、こちらの方が骨が折れる。
ちなみに、息子は挫折することなく、無事志望校に合格した。

                                          <2006・4月>