「文昇問題 其の一」

予知能力の段

 

 元号が代わって、令和にも馴染んできた。「平成」の発表の時は、熊本の阿蘇で、TVを観ていたのを思い出す。今回の新元号発表時は、京阪電車で大阪から京都へ向かっている途中だったので、リアルタイムでは観ていない。以前なら、京阪にはテレビカーというものがあったのに、今はなくて残念で仕方がない。
 毎年、5月に独演会をしている。チラシを作る段階では、元号が発表されていなかったので、西暦ではなく、敢えて、「〇〇元年」と日付を印刷した。これで、チラシを見た人達にも予想してもらおうと、考えた。4月1日にいよいよ発表があり、京都に着き、楽屋へ入るなり、芸人さんに新元号を訊いた私は、自身の能力というか、才能を確信した。私は、元号を予知していたのだ。
「〇=零(れい)、〇=輪(わ)」。う〜ん、己の才能が恐ろしい。
                      

<〇〇元年 9月>