「5年3組 上国料浩」

平成八年十一月発行 会報第三号より

 

 ぼくは今日、チャリンコでY君と岸和田に行きました。Y君が月亭八方と桂文珍がニチイに来ると、どっかから聞いてきたからです。

 ぼくはテレビに出てる人を見たことはありません。「ヤング・オーオーに出てる人に会えるんや。」と思いました。

 屋上に行ってみると、『もちつき大会』と書いてありました。しばらくして、2人が登場してきました。「あっ、動いてる。」と思いました。いっしょうけんめい作ったおモチを文珍がお客さんに「できたてやでぇ」と言ってなげました。うけとった人は、よろこんで食べるかと思ったら、なげかえしました。もったいないなあと思いました。そのほかにも、「八方の足、うすといっしょの長さやんけ。」とだれかがいいました。ちょっとおこっているように見えました。

 もちつきが終わって、2人はバラバラに帰っていきました。ぼくとY君は、あくしゅがしたくて、文珍のあとをついて行きました。でも、なにも言えなくて、むねがドキドキしてきました。もうニチイから出ていきそうになったとき、ゆう気を出して「あくしゅ」とだけ声になりました。すると、「ええで」と、あくしゅをしてくれました。体がかーっとあつくなりました。ぼくの初めてのあくしゅでした。

 来週はイズミヤで仮面ライダーと写真をとろうっと。

PS.

 私は文枝師匠の弟子となり、弟弟子として文珍兄さんと再会しました。その後、ラジオ番組を御一緒させていただき、なんとも不思議な気持ちになりました。ニチイでの事を文珍兄さんに話してみると、全く覚えていないとのことでした。

 人とは、いやな出来事は忘れる生き物のようです。

(桂 小國)