簡単にできる医療改革?(01/09/05)

 常々考えていたことですが、患者のことを本当に考えている役人はいるのでしょうか?費用もほとんどかからずに、明日からでも実行できて、しかも患者の役に立つことがあります。
 例えば、臨床で問題になることのひとつに「薬剤アレルギ−」があります。ある薬でアレルギーかも知れない反応が起こった場合、医者は患者に「これこれの薬に気をつけるように」と言います。ちょっと親切な医者は薬の名前を紙に書いて渡します。私の場合は、その紙を必ず保険証のケースに入れて置くように指導しています。というのも、折角紙に書いてもらっても、受診時に忘れたり、なくしたりする患者がたくさんいるからです。保険証と一緒に保管しておけば、受診時に忘れることもありませんし、なくす可能性もぐっと少なくなります。
 それならば、いっそ保険証に薬剤アレルギーを記入する欄を作って徹底させれば、どれだけ患者の利益になることか。
 もちろん、それだけでは実現できません。保険証は更新されますし、仕事が変われば、保険証も変わります。しかし、保険証のケースの形を多少変えて、そこに禁忌薬剤の記入カードをセットする形にすれば、解決できます。
 つまり、ケースと禁忌薬剤記入カードの規格さえ統一規格を決めて、保険証とセットにすることを法律で決めればいいのです。
 なにも保険証をICカードにしないとできないと言うことではありません。保険証の厚みが多少増えるだけの話です。こんなことも実行できない政府なのでしょうか?そして、こんなことも提案できない(薬の専門家の)薬剤師会なのでしょうか?
 この改革の最大の問題点は、この事で潤う業界団体がないということです。そのため、この改革を推進するように政府に働きかける圧力がかかりません。業界に利益がなければ役人も動きません。